【台北=田中靖人】台湾の蔡英文総統は2日、台北の総統府で談話を発表し、中国の習近平国家主席が演説で呼びかけた一国二制度について「台湾は絶対に受け入れない」と拒否した。
蔡氏は、一国二制度は「台湾の絶対的多数の民意が断固として反対しており、コンセンサスだ」と強調。習氏が提案した台湾の党派や団体との政治対話も「台湾人民の授権と監督」を経た当局間の対話でなければならないと否定した。
また、対話は「望んでいる」としつつも、平和的で対等な方式であるべきで、「圧力や威嚇を用いて台湾人民を屈服させる企てであってはならない」と述べた。
蔡氏は昨年11月の統一地方選の結果は「台湾の民意が主権を放棄するという意味では絶対にない」とし、与党、民主進歩党の惨敗を受けて統一攻勢を強めようとする中国を牽(けん)制(せい)した。
蔡氏は習氏の演説を前に1日にも談話を発表しており、2日連続で談話を出す異例の対応となった。