安倍首相が年頭所感「日本の明日を切り拓く」

臨時国会が閉会し、会見で記者団の質問に答える安倍晋三首相=12月10日午後、首相官邸(春名中撮影)
臨時国会が閉会し、会見で記者団の質問に答える安倍晋三首相=12月10日午後、首相官邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相は1日付で年頭所感を発表し、天皇陛下の代替わりを踏まえ「平成の、その先の時代に向かって『日本の明日を切り拓(ひら)く』一年とする。その先頭に立つ」と表明した。

 全文は次の通り。

 新年あけましておめでとうございます。

 平成最後となる初春を、皆様におかれましては、穏やかに迎えられたこととお慶(よろこ)び申し上げます。

 昨年は、全国各地で大きな自然災害が相次ぎました。被災者の皆様が一日でも早く心安らぐ生活を取り戻せるよう、政府一丸となって復興を進めてまいります。

 平成はバブルとともに始まり、経済はその後、長いデフレに突入しました。失われた20年、就職氷河期の到来、未曽有の自然災害。人口が減少する社会は成長できない。「諦め」という名の壁が日本を覆っていました。

 私たちは、この壁に挑みました。

 6年が経(た)ち、経済は成長し、若者たちの就職率は過去最高水準です。この春の中小企業の皆さんの賃上げ率は20年間で最高となりました。生産農業所得はこの19年間で最も高くなっています。

 故郷を想(おも)う皆さんの情熱によって、被災地は力強く復興を遂げつつあります。地域の皆さんが磨きをかけた伝統、文化、心のこもったおもてなしによって、外国人観光客数は1千万の壁を突破し、3千万人を超えました。

 景気回復の温かい風が全国津々浦々に届き始める中で、地方の税収は過去最高となりました。

 本年は、最大の課題である、少子高齢化の壁に本腰を入れて立ち向かいます。この秋から幼児教育無償化をスタートさせます。未来を担う子どもたちに大胆に投資し、子どもから現役世代、お年寄りまで、全ての世代が安心できるよう、社会保障制度を、全世代型へと大きく転換してまいります。

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