新時代

AI・宇宙・核融合、技術覇権を狙う超大国…中国 予算潤沢、国家ぐるみ

 トランプ氏はさらに同6月、宇宙軍の設立を指示した。中国の宇宙開発へ対抗することが念頭にあると報じられた。

 米中両国の科学技術での競争は今後、ますます過激化する。官民協力でも、民間主導でも、「いつでも軍事転用できるのが特徴だ」と指摘される。

 危惧するのは日本の現状だ。軍事評論家の潮匡人(うしお・まさと)氏は「米中の正反対にいるのが日本。科学と軍事を完全に切り離しており、自国で防衛力を発展させづらい」と語った。

世界に「脅威」拡散 北朝鮮・ロシア

 サイバー攻撃は、人間のハッカーではなく、AIが自動的に仕掛ける時代に突入する。その先陣を切ろうとしているのがロシアだ。

 AIの活用は、省力化に加えハッキング効率を高めることになるという。

 17年9月、ロシアのプーチン大統領は学生らに向けて「AIの領域の指導者になる者は、世界の支配者になるだろう」と訴えた。

 ロシア政府は、25年までに軍事装備の30%をAIを搭載したロボットに置き換える目標を設定している。銃器メーカー「カラシニコフ社」は、AIが銃の射撃を行うロボットを開発中だ。

 小泉悠・未来工学研究所特別研究員は「ロシアのAI開発は欧米やアジアへの脅威になる」と警戒する。

 昨年8月、中東などで活動するサイバーセキュリティー専門家の男性(49)に英語で書かれた一通のメールが届いた。

 「レシピを買わないか」

 レシピとは、企業の情報を窃取したり、社会インフラを破壊したりするウイルスを意味する。

 メールを送信してきた相手は、ウイルスなどを犯罪者が取引する闇サイト「ダークウェブ」のアドレスを男性に教えてきた。

 ここにアクセスした男性は、相手が売っているウイルスが本物であることを確認し、思わず身震いしたという。

 この男性は、ウイルスを詳しく解析した。すると、過去のサイバー攻撃に使用されたのと同じ種類のマルウエア(不正なプログラム)だと分かった。北朝鮮が関与した疑いが持たれた案件だ。

 送信相手が、北朝鮮の工作機関である「偵察総局」傘下のハッカーだと確信するまでに、長い時間はかからなかった。

 米朝間の非核化交渉の停滞により、トランプ政権は北朝鮮が求める制裁緩和に応じていない。米専門家のヒュー・テサラット氏は「北朝鮮は厳しい経済状況で、米国と対立を深めるイランや、中露にサイバー兵器を売るビジネスを活発化させている」と指摘する。

会員限定記事会員サービス詳細