安倍晋三首相×バイオリニスト・五嶋龍氏新春対談(2)首脳同士の信頼関係醸成にはコツが…

 五嶋 僕は届くことはあると思います。届くのは被害者の気持ちではなく、北朝鮮のリーダーである金委員長は経済的に国を変えて救世主になりたい。だから彼の求めているうちのインセンティブがあるもののみに耳を貸すのだと思います。

 首相 それはもうあります。彼らがまともな行動をとっていけば今の制裁は緩和していく。核、ミサイル、拉致問題を包括的に解決すれば、日本と北朝鮮は不幸な過去を清算し、国交正常化する。韓国は日本と1965(昭和40)年に締結した日韓基本条約で関係を正常化し、経済支援を受けて高度経済成長を果たした。北朝鮮は日本と国交正常化できれば韓国と同じように夢を描くことができる。北朝鮮には国民のためにそういう判断をしてもらいたいです。

 五嶋 首相が金委員長に直接問うことができたらいいですね。

 櫻井 国際社会にいろいろなリーダーがおり、外交のかじ取りは難しい。

 首相 トランプ米大統領がアメリカ・ファーストを主張し、さまざまな議論が起こっていますが、国のリーダーが自国の国益を第一に考えるのは当然のことです。しかし同時に、みんなで作ったルールをみんなが守っていかなければならない。自分のことばかりでは結果的に、国際社会は経済成長できないし、安全保障面でも不安定になる。ひいては自国にとって大変なマイナスになる。国際社会のルールをお互いが守ることが基本です。

 櫻井 今世界は、ルールを守る国々と、守らない国々に分かれてせめぎ合ってると思うのです。明治維新以来の大きな変化が今、起きてるんじゃないかとさえ思うのですが。