現役モデルの大学院生、銭湯絵師に弟子入り

現役モデルの大学院生、銭湯絵師に弟子入り
現役モデルの大学院生、銭湯絵師に弟子入り
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 庶民の憩いの場として長年親しまれながら、近年は年々数が減っている銭湯。浴場の壁にペンキ絵を描く「銭湯絵師」も現在はわずか3人になったが、「4人目」を目指す女性がいる。パリ・コレクションの出演経験もある現役モデルの大学院生、勝海(かつみ)麻衣さん(24)。巨大な壁面に描かれる「粋の世界」に魅せられて現役最高齢の絵師に弟子入りし、腕を磨き夢を追っている。

 勝海さんが銭湯絵師の魅力に触れたのは小学2年のとき。家族旅行で伊豆を訪れた際、立ち寄った銭湯の壁に描かれていた富士山に心を奪われた。「いつかこんな大きな絵を描きたい」。武蔵野美術大の空間演出デザイン学科に入学、舞台の背景画など、大きな絵を描く基礎を学んだ。

 一方で、大学2年のときに学内で開催されたファッションショーに出演を依頼されたのを機に、モデル活動を開始。広告やミュージックビデオなどに出演するなど実績を積み、今年6月にはパリ・コレクションへの出演も果たした。

 モデル業について「自分が表現される側にいるのはとても新鮮。芸術家の美学に直接触れることもできて肥やしになる」と話すが、幼いころに抱いた「銭湯絵師」への情熱は衰えず、平成29年には東京芸術大大学院へ進学。同年9月、知人を介して日本最高齢の銭湯絵師、丸山清人さん(83)と対面し、弟子入りを果たした。

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