【カイロ=佐藤貴生】エジプトの首都カイロ近郊で28日夜(日本時間29日未明)、通行中のバスの近くで爆弾が爆発した。エジプト当局によると、バスに乗っていたベトナム人観光客3人とエジプト人のツアーガイドの計4人が死亡、他のベトナム人観光客ら少なくとも10人が負傷した。ロイター通信が伝えた。
現場は世界遺産に登録されているギザの「三大ピラミッド」から数キロしか離れていない場所にあり、ベトナム人は観光旅行に来ていた。爆弾は通り沿いにある壁の近くに仕掛けられていたとみられる。
犯行声明は出ておらず、当局が捜査している。在エジプト日本大使館によると、同日夜の時点で日本人の被害は確認されていない。
エジプトでは、シナイ半島を中心にイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の傘下組織が活動している。治安当局が掃討作戦を進めているが、キリスト教の一派であるコプト教の信徒を狙ったテロなどがしばしば発生。そのため、エジプトを訪れる外国人が減少していた。最近は沈静化の傾向を示しており、外国人観光客の客足も戻りつつあった。