遺族代理人も禁錮5年求める 東電原発事故公判

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された同社元会長、勝俣恒久被告(78)ら旧経営陣3被告の第36回公判が27日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。被害者参加制度を利用している遺族の代理人弁護士が意見陳述し、「事故の責任が明らかにされなければ、被害者の無念は晴らされない」として、検察官役の指定弁護士の求刑と同じく、禁錮5年が相当とした。

 代理人弁護士は、第1原発から約4.5キロ離れた双葉病院(福島県大熊町)と隣接する介護老人保健施設「ドーヴィル双葉」の入院患者ら計44人が、事故のためバスで長時間にわたる避難を余儀なくされたと主張。「過酷な避難で極度の脱水や栄養失調に陥り、命を奪われた。事故を起こした被告の責任は極めて重大だ」とした。

 事故前の対応については「対策工事のコストなどが経営に悪影響を及ぼすことを危惧し、必要な対策を先延ばしした」と指摘。また、巨大津波が来るとの試算結果を事故の4日前まで原子力安全・保安院(当時)に知らせなかったとし、「保安院に厳しい指摘を受けた後も原発の運転を続けていた」と述べた。

 他に強制起訴されているのは、いずれも元副社長の武黒一郎被告(72)と武藤栄被告(68)。3被告は「事故の予見や回避は不可能だった」として無罪を主張している。来年3月に弁護側が最終弁論し、結審する予定。

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