大学入試センターは27日、平成32(2020)年度から導入される大学入学共通テストに向けて11月に実施した試行調査(プレテスト)のうちマークシート式問題の結果速報を公表した。センターでは、平均正答率が5割程度になるよう問題を作成したが、生物などの正答率が3割台だった一方、地理Bが6割に達するなど科目によって差があり、難易度調整に課題を残す形となった。
プレテストは11月10、11日に行われ、高校2、3年生の計6万8409人が参加した。センターによると、科目別の平均正答率が低かったのは生物32.63%、数学I・A34.54%、物理38.86%-など。高かったのは地理B60.02%、世界史B59.24%、英語のリスニング59.09%-など。センターが目標とする5割程度(45%以上)を超えたのは19科目中14科目だった。
科目によって正答率に差がでたことについて、センターの大杉住子審議役は「理数系の得点が伸び悩んだ。とくに数学では日常生活を題材にした問題解決能力が試されたが、読み解かなければならない情報量が多く、さばき切れなかったようだ」と分析している。
一方、今回の参加者には高校2年生も多く、本番では点数が大きく伸びることが予想される。このためセンターでは今後、各科目ごとの課題を詳細に検証。来年3月末までに記述式問題の結果も分析して公表し、最終報告をまとめることにしている。