東電旧経営陣に禁錮5年求刑 福島第1原発事故公判

元東京電力会長の勝俣恒久被告(桐山弘太撮影)
元東京電力会長の勝俣恒久被告(桐山弘太撮影)

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された同社元会長、勝俣恒久被告(78)ら旧経営陣3被告の第35回公判が26日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれた。検察官役の指定弁護士は「津波の襲来は予見でき、対策していれば事故は防げたのに、漫然と原発の運転を続けた」として、3被告にいずれも禁錮5年を求刑した。

 27日には、被害者参加制度を利用している遺族の代理人弁護士が意見陳述をする。来年3月に弁護側が最終弁論し、結審する予定。

 他に強制起訴されているのは、いずれも元副社長の武黒(たけくろ)一郎被告(72)と武藤栄被告(68)。巨大津波を予見し、対策を取れば事故を防げたかが最大の争点。3被告は「事故の予見や回避は不可能だった」として無罪を主張している。

 指定弁護士は論告で、3被告は遅くとも平成20年6月から21年5月ごろまでに、津波の襲来と事故発生を予見できたと指摘。部下に報告を求めて対策する「情報収集義務」があったのに怠った、と主張した。

 政府の専門機関は14年、「津波地震が福島沖を含む日本海溝沿いで発生しうる」との地震予測「長期評価」を公表。東電子会社は20年、長期評価を基に最大15.7メートルの津波が襲来するとの試算を示した。

 起訴状によると、3被告は津波を予見できたのに対策を怠り、事故で長時間の避難を余儀なくされた入院患者ら計44人を死亡させるなどしたとしている。

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