IWC脱退決定 自民議連、議員派遣し理解要請へ

 日本政府が26日、国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明したことで捕鯨政策は新たな局面を迎えた。以前から脱退を強く主張してきた自民党捕鯨議員連盟(会長・鈴木俊一前五輪相)は所属議員を捕鯨推進派の関係国に派遣し、脱退の経緯の説明を始めた。

 捕鯨議連は26日、政府決定を受けて党本部で総会を開き、吉川貴盛農林水産相は「商業捕鯨の再開によって地域が元気になり、全国の活性化につながることを願う」と述べた。議連は科学的根拠に基づいた商業捕鯨の再開と、伝統文化としてクジラとの関わりを継承することを目指してきた。

 ただ、議連の顧問を務める二階俊博幹事長は「結果はまったくの惨敗だ。このまま引き下がるつもりはない」と語り、商業捕鯨の全面的な再開を目指して努力するよう政府に求めた。

 議連の所属議員は25日からノルウェーやアイスランドなどIWC加盟国のうち捕鯨推進派の国々を回り始めた。鈴木氏は会合で「わが国の措置の正当性をしっかりとアピールし、同志の国々に対して丁寧な説明で理解を得ていく」と意義を強調した。

 一方、旧民進党系議員による捕鯨議連も総会を開き、「日本の立場を支持してきた国への根回しが十分だったとは思えない」などの意見が出た。議連メンバーである国民民主党の玉木雄一郎代表は記者会見で、脱退に理解を示した上で「新たな捕鯨の枠組みを日本がリードして作っていくべきだ」と主張した。

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