「先進地」でも戸惑い 外国人の暮らし支える人材確保に悩み

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 民間と連携した支援ネットワークづくりや日本語教室の拡充、地域企業とのマッチングなど、外国人受け入れに伴う自治体の役割は多岐に及ぶ。国は、共通多言語マニュアルの策定や多言語自動音声翻訳アプリといったICT(情報通信技術)も活用し、自治体の負担を軽減するとしている。

 だが、不安を募らせる自治体関係者も多い。仙台市に隣接する宮城県内陸部の大和(たいわ)町の担当者は「予算が配分されても、支援のスキルがある人材を確保できるか分からない」と漏らす。

 同町は大型工業団地のデジタルカメラ工場で働く日系ブラジル人労働者の増加で、外国人人口は3年前の約10倍の約400人に。現在は雇用企業側の管理で対応できているため、町は外国人向けの専属職員や相談員を置いていないが、新制度が始まる来春以降はさらに急増する可能性もある。

 こうした人材確保・育成の悩みは、「先進地」も変わらない。新宿区の共生プラザでも相談員の多くは、区と入管がそれぞれ業務委託している財団のボランティアや民間企業のスタッフだ。「きめ細かな相談に応じるには日本在留経験が長い外国人が望ましい」(鍋島氏)が、そんな人材は民間企業でもニーズが高く、常駐雇用は難しいという。

 多文化共生に詳しい佐藤久美・金城学院大教授(国際情報学)は「政府の対応策は細かい部分まで言及しているが、外国人とどう共存し、どんな社会を目指すかという視点が欠けている」と指摘。「ボランティア頼りでは継続的な支援にも限界がある。国は、相談員や日本語教師などの人材を確保する人件費も考慮すべきだ」と話した。

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