「先進地」でも戸惑い 外国人の暮らし支える人材確保に悩み

「しんじゅく多文化共生プラザ」のワンストップ型の外国人相談窓口。右奥に新宿区側、左奥に入国管理局側のスタッフが控え、多言語で一元的に相談ができる=東京都新宿区
「しんじゅく多文化共生プラザ」のワンストップ型の外国人相談窓口。右奥に新宿区側、左奥に入国管理局側のスタッフが控え、多言語で一元的に相談ができる=東京都新宿区

 外国人労働者の受け入れ拡大を目指す改正出入国管理法を受け、政府が25日に決定した外国人への総合的対応策では、地方自治体が大きな役割を担うことになる。言葉の壁を乗り越え、日本で暮らす外国人の生活をどのように支えるのか。既に多くの外国人が住む「先進地」でも課題が浮かんでいる。(今村義丈)

 複数の言語でにぎやかな声が入り交じる日本語講座、窓口奥の机で受話器を握りながら外国語で相づちを打つスタッフ…。アジア随一の歓楽街、歌舞伎町に建つ複合ビルの11階。東京都新宿区が開設している「しんじゅく多文化共生プラザ」は、年間約1万3千人が訪れる外国人と日本人の交流拠点だ。

 約135の国・地域から新宿区に移り住んだ外国人は現在、人口の12・6%(約4万3700人)に上っている。

 プラザは、雇用や医療、福祉、出産から子育て、教育まで外国人のさまざまな生活・行政相談に応じる区のスタッフと、複雑な在留資格制度を案内する法務省東京入国管理局のスタッフが、ともに常駐しているのが特徴。タブレット型端末で遠隔地の通訳を介した3者通話や自動音声翻訳アプリも活用して、13言語で年間700件超の相談をこなす。

 政府が今回の対応策の柱と位置づけ、20億円の予算をあてるのが、全国100カ所に設置する自治体と入管の一元的窓口「多文化共生総合相談ワンストップセンター」。これに相当する拠点は現在、この新宿区のプラザに加え、さいたま市、浜松市に各1カ所あるのみだ。

 区職員の鍋島協太郎・同プラザ所長は「環境になじめず勤務先を変えたい、勉強についていけないので学校を休みたい、といった生活上の悩みが、外国人は『在留不許可』の危機に直結することもある。入管とワンストップで応じることで、そうした思わぬ事態を回避できる」と話す。