浪速風

偉業! 700回の「いい日本みつけた」

版画家の田主誠さんが本紙朝刊(大阪発行)の地方版に連載していた「いい日本みつけた」が25日付で終了した。ちょうど700回である。週1回、足かけ17年にわたって、さまざまなテーマを取材し、版画を描き、さらに文章を書くのはとてつもない偉業といえよう。お疲れ様でした。

▶舞鶴に生まれ、実家が印刷業で紙とインクの匂い中で育った。海上自衛隊事務官から国立民族学博物館に入ったのが転機になる。三角形を主題にした抽象作品で国際的なコンクールに入賞していたが、広報紙で世界の民話を紹介する連載の挿絵を担当し、具象画に。そして版画の手法もシルクスクリーンから木版へと広がった。

▶何より作品の特徴は、対象への温かいまなざしである。「いい日本-」も、見過ごしてしまいそうな街角や田園の風景、季節の行事などに、日本の伝統が感じられて、どこか懐かしい。30年以上のお付き合いだが、田主さんはいつも「いい日本人みつけた」と思わせる。