大手広告会社の電通の新入社員だった平成27年に過労自殺した高橋まつりさん=当時(24)=の命日となる25日、母の幸美(ゆきみ)さん(55)が手記を公表した。手記では「今でもまつりのことばかり思い、まつりの名を呼んでいます」と吐露。働き方改革関連法が今年6月に成立したことについて、「すべての業種職種で長時間労働やハラスメント(嫌がらせ)をなくすような法改正や取り組みがなされることを望みます」と記した。
まつりさんは27年4月に電通に入社したものの、月100時間を超える残業などに悩み、同年のクリスマスの日に会社の寮から投身自殺した。まつりさんの過労死は働き方改革の機運を高める契機にもなった。
「どんなことがあっても大切な娘を守る。それができなかった私の苦しみは消えることはありません」
幸美さんは手記で癒えぬ悲しみを描写。「経営者や労働者、国民全ての人が意識を変えなければいけません。日本の社会全体で働く人の命と健康が守られることを望みます」と訴えた。
幸美さんは今月、過労死の防止策を話し合う国の協議会の委員に就任。3年ごとに見直される「過労死等防止対策大綱」の議論に加わる。
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幸美さん(55)が公表した手記全文は次の通り(原文のまま)。
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まつりの幸せが全て奪われたクリスマスの日から3年が過ぎました。