シリア撤収めぐり米大統領特使も抗議の辞任

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は22日、ツイッターで、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)掃討のための有志連合の調整を担うマクガーク米大統領特使が「辞任した」とツイッターで明らかにした。マクガーク氏はオバマ前政権下の2015年に特使に就任し、来年2月に退任予定だった。米メディアは、トランプ氏がシリアからの米軍撤収を決めたことへの抗議の辞任だとしている。

 米メディアによると、マクガーク氏は21日に辞表を提出し、今月31日付で正式辞任する。マティス国防長官が20日に辞任表明したのに続く動きで、ほかにも追随者が出る可能性もある。

 トランプ氏はマクガーク氏について「知らない人物だ」とし、前倒しの辞任を「スタンドプレーか?」と揶揄(やゆ)した上で、「大した話ではない」と主張した。

 AP通信によると撤収の決定は、トランプ氏が14日にトルコのエルドアン大統領との電話会談の最中に突然表明。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)や閣僚らとも事前の打ち合わせを一切しておらず、政権内部では混乱の収拾に追われているという。

 APの報道では、中東や南アジアの一部を管轄する中央軍のボーテル司令官が数日以内に撤収計画案を国防総省の上層部に提出する。同省はその上で、撤収に関する複数の選択肢をトランプ氏に提示し、判断を求める見通しだ。

 撤収計画では、これまで米軍が支援してきたシリアのアサド政権に対抗する反体制派および同国北部の少数民族クルド人勢力への武器供与の継続や、米軍特殊部隊をイラクからシリアに出撃させてIS掃討作戦に参加させるなど、IS掃討作戦への悪影響を最小限に抑える措置を盛り込むことが検討されている。

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