足利の強殺と死体遺棄 落合被告に無期懲役判決 犯行「残虐かつ冷酷」

 栃木県足利市の化粧品販売業、萩原孝さん=当時(84)=を金品目的で殺害し、館林市の多々良川に遺棄したとして、強盗殺人と死体遺棄の罪に問われた足利市の派遣社員、落合和子被告(43)に対する裁判員裁判の判決公判が21日、前橋地裁で開かれ、鈴木秀行裁判長は求刑通り無期懲役を言い渡した。弁護側は即日控訴した。

 これまでの公判で弁護側は、萩原さん殺害は、事件当日に一緒に行動していた別の女が単独で行ったとして無罪を主張。死体遺棄については、従属的に関与しただけだと訴えていた。

 鈴木裁判長は判決理由で、女の衣服に萩原さんの血痕が付いていたことなどから事件関与の可能性を認める一方、落合被告は経済的に困窮して現金を奪う動機があり、「犯行の首謀者だった」と指摘。犯行態様は「残虐かつ冷酷なもので悪質。真摯(しんし)な反省や謝罪も見られない」と断じた。

 判決を受け、弁護人は報道陣に「到底受け入れられない判決。印象としては、結論から説明したように思える」と話した。

 判決などによると、平成27年3月25日、萩原さんの首を絞めるなどして殺害、現金50万円を奪って、別の女と共謀して遺体を多々良川に遺棄した。女の車に萩原さんの血痕や指輪などがあったが、事件後に千葉県の川で死亡しているのが見つかった。

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 ■裁判員「納得いく評議」

 今回の裁判員裁判は、直接証拠がなく、落合被告も強盗殺人罪について否認しているため、間接証拠からの総合的な判断が求められた。判決の後、裁判員6人と補充裁判員2人が会見し、全員がおおむね「納得のいく評議ができた」と感想を述べた。

 評議について補充裁判員の専業主婦の女性(50)は「落合被告の供述は嘘と真実のごちゃ混ぜとしか思えなかった。慎重な議論をして常識的な判断をしたと思う」、20代男性は「可能性からひもといて、慎重に議論しなければいけないことが難しかった」と述べた。

 萩原さんを殺害したのは別の女で、この女が落合被告に「超人的存在」が乗り移ると信じていたという弁護側の説明について、50代の男性会社員は「場当たり的な内容で、自分のいいように解釈していると感じた」と厳しい表情を浮かべた。

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