少し前、孤独死の対策を考える会合に出席しました。ふだんから、ひきこもりのお子さんを抱えるご家庭向けに生活設計アドバイスをしているため、ひきこもりのお子さんが将来、孤独死や孤立死にならない方法を考える機会がよくあります。
その会合で印象に残ったのは、時間が経過してから遺体が見つかり、室内を清掃、消毒して遺品整理を請け負う「特殊清掃」の話です。孤独死が社会問題化して業者が乱立し、清掃技術が乏しい業者が少なくないそうです。数社に見積もりを依頼すると、能力が低い業者の方が安い価格を提示しがちとのこと。高額な追加料金が発生したり、依頼主を満足させられず、経験値の高い業者が後始末したりするケースもあるそう。「安物買いの銭失い」にならないために、経験年数や引受実績なども確認すべきだと感じました。
さて、孤独死を防ぐ対策として、電気小売業「アイキューフォーメーション」のサービス「見守り電気」があります。ふだんとは電気の使い方や使用量が異なる場合に、利用者側が希望したメールアドレスに通知されます。利用料は通常の電気代に300円の加算。電気の購入先は変わりますが、専用機器の設置は必要ありません。
「見守り電気」は居住者側、家主側のどちらでも申し込めますが、賃貸住宅の大家さん側が申し込む「安否・漏水みまもり通報サービス」もあります。計測機器製造業「Clues(クルーズ)」が提供し、見守り装置である「CLASi(クラシ)」を共用部分に設置することで、水道の使用量に大きな変化があったり、逆に長時間使用されなかったら、大家さんに通知がいきます。
サービスの利用に初期費用はかからず、利用料として8部屋までなら月額1万2800円。これは当初契約期間である4年間の金額で、5年目以降は月額6400円に下がります。(ファイナンシャルプランナー 畠中雅子)