浪速風

討ち入りは忘年会の夜? 油断めされるな

江戸城では師走の13日にすす払いをした。1年の汚れを払うと年神様がご利益を持ってやって来るとされ、正月準備の行事でもあった。本所松坂町の吉良上野介邸でもすす払いを行い、翌14日、茶会を催したという。その夜遅く、大石内蔵助率いる赤穂四十七士が討ち入った。

▶吉良邸には2倍以上の手勢がいたのに、なすすべもなかった。「人生劇場」で知られる作家の尾崎士郎は、この茶会は飲酒を伴う忘年会だったとしている。上野介の所領だった現愛知県西尾市出身で、深酒の寝込みを襲われたのでなければ、あっけなく主君の首を取られることもなかっただろう、と。

▶園田英弘著「忘年会」(文春新書)に出ている。今週末が忘年会のピークのようだ。「忘年」には「その年にあった苦労を忘れる」と「年齢の差を気にとめない」の意味がある。会社の忘年会も1年の慰労とともに、「無礼講で」と上下の垣根をなくそうとするが、羽目を外しては後悔する。