トランプ政権はオバマ前政権までの失敗を見て、習政権をぎりぎりまで追いつめる作戦に出た。その最大の武器が制裁関税である。トランプ氏はすでに2500億ドルの対中輸入に制裁し、さらに残る対中輸入2650億ドル分についても制裁準備を指示済みだ。
背景には、共和党の中国専門家のトランプ政権への助言がある。それは、「中国人は相手が一歩下がれば、二歩前に出る。こちらが二歩前に出れば一歩下がる」。今回も制裁関税の追加をちらつかせた上で譲歩を引き出す作戦で、相手の譲歩内容次第で制裁を緩めることはない。
対照的に日本の対中姿勢は「協力」「協調」一点張りで、「強硬」は一切ない。北京から見れば、日本は絶えず後に引いているのだから、前に押し寄せてくるはずだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)