改正入管法が成立 外国人労働者の受け入れ拡大 10日に国会閉会へ

 外国人労働者の受け入れ拡大に向け在留資格を創設する改正出入国管理法は8日未明の参院本会議で、与党や日本維新の会などの賛成多数により可決、成立した。人材確保が困難な産業分野で外国人労働者の受け入れを広げるのが狙いで、来年4月に施行される。最大の与野党対決法案だった改正法が成立したことを受け、今国会は10日までの会期を延長せずに閉会することが確実な情勢となった。

 参院本会議に先立って8日未明に開会した参院法務委員会で、与党は入管法改正案の採決に踏み切った。立憲民主党や共産党などの議員が横山信一委員長(公明)に詰め寄る中、改正案は賛成多数で可決した。採決で反対した国民民主党は外国人労働者の適切な処遇などを政府に求める付帯決議を与党などと共同で提出、決議は採択された。

 7日午前に開会した参院本会議は、立憲民主党など主要野党が提出した横山氏と堂故茂農林水産委員長(自民)の解任決議案を与党などの反対多数でいずれも否決した。

 野党は続いて、山下貴司法相問責決議案を参院に提出。与党は午後3時半に本会議を再開し、問責案を否決する構えだったが、野党は議院運営委員会の大家敏志理事(自民)が本会議場で白真勲同委野党筆頭理事(立憲民主)に対し「暴力に近い形で小突いた」と反発して開催を拒否した。大家氏が謝罪、理事を辞任することで決着し、本会議は午後7時半にずれ込んだ。

 法相問責案を反対多数で否決された野党は安倍晋三首相問責決議案も参院に提出したが、7日深夜の本会議で否決された。

 改正法は建設業や介護業など14業種が対象。一定技能が必要な業務に就く「特定技能1号」、熟練技能が必要な業務に就く「特定技能2号」の在留資格を新設するのが柱。長期在留や家族の帯同が認められる2号については、与党内にも「事実上の移民政策につながる」との警戒感が残る。

会員限定記事会員サービス詳細