対中協議、米通商代表が担当に 不公正慣行の是正へ強硬姿勢 米「中国も対応約束」

 【ワシントン=塩原永久】米政権のクドロー国家経済会議(NEC)委員長は3日、貿易分野での中国との協議について、今後は通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が責任者になると明らかにした。政権内きっての対中強硬派として知られ、知的財産権侵害や政府補助金が支える産業振興策などの是正を強く迫る方針とみられる。

 クドロー氏は同日、電話で記者会見し、1日の米中首脳会談を受け、今後は合意の履行確保などが重要になるとの認識を示し、ライトハイザー氏が「もっとも適任だ」と述べた。

 首脳会談に同席したクドロー氏は、米政府が問題視する中国の不公正な貿易慣行をめぐり、中国側が会談で「(是正するとの)早期の約束」をしたと話した。

 ライトハイザー氏は中国の不公正貿易を批判する急先鋒。これまでトランプ政権下の対中協議は、政権内では対中姿勢が穏健なムニューシン財務長官らが取り仕切ってきた。ライトハイザー氏は日本や欧州連合(EU)との交渉も担当。貿易交渉の実務に詳しく、中国との今後の協議では、中国の関税引き下げにも踏み込む構えとみられる。

 一方、米政府は3日、米中首脳会談での合意内容について、両政府が12月1日を起点とする90日間の期限を設け、集中的に協議することになると説明した。米国はその間、中国からの輸入品2千億ドル(約23兆円)相当に対する追加関税の税率引き上げを猶予するとしており、交渉期限は2月末になる見通しだ。

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