においで病気を発見する「探知犬」が誕生する? マラリア対策への有効性が判明

スプリンガー・スパニエルのフレヤは、マラリアのにおいを嗅ぎわける訓練を受けている。フレヤの鋭敏な嗅覚は、史上初の非侵襲的マラリア検査の誕生に貢献するかもしれない。入国港に探知犬を配備すれば、マラリア感染者を特定して国境を超えた流行拡大を阻止し、感染者に迅速な抗マラリア治療を施すことが可能になるだろう。PHOTOGRAPH COURTESY OF MEDICAL DETECTION DOGS
スプリンガー・スパニエルのフレヤは、マラリアのにおいを嗅ぎわける訓練を受けている。フレヤの鋭敏な嗅覚は、史上初の非侵襲的マラリア検査の誕生に貢献するかもしれない。入国港に探知犬を配備すれば、マラリア感染者を特定して国境を超えた流行拡大を阻止し、感染者に迅速な抗マラリア治療を施すことが可能になるだろう。PHOTOGRAPH COURTESY OF MEDICAL DETECTION DOGS

 人のにおいを犬に嗅がせることで病気を発見できる--。そんな時代がやってくるかもしれない。マラリア原虫に感染している子どものにおいを、犬が70パーセントの精度で嗅ぎ分けるという実験結果を、ガンビアの研究チームが発表した。がんや糖尿病といったほかの病気への応用も研究されているというが、なぜそんなことが可能なのか。

TEXT BY MEGAN MOLTENI

TRANSLATION BY TOMOYUKI MATOBA/GALILEO

WIRED(US)

スプリンガー・スパニエルのフレヤは、マラリアのにおいを嗅ぎわける訓練を受けている。フレヤの鋭敏な嗅覚は、史上初の非侵襲的マラリア検査の誕生に貢献するかもしれない。入国港に探知犬を配備すれば、マラリア感染者を特定して国境を超えた流行拡大を阻止し、感染者に迅速な抗マラリア治療を施すことが可能になるだろう。

ガンビアの医学研究評議会の研究チームは2016年11月、数百足のベージュのナイロン靴下を携え、小学校を訪れた。彼らは5歳から14歳までの子どもたちに靴下を渡し、翌日まで履くよう依頼した。脱いでいいのは祈りのために足を洗うときだけ、という注意を添えて。

翌日、再びやってきた研究チームは、汚れた靴下を回収し、仕分けして、英国の慈善団体に郵送した。この団体は、その後の4カ月間、この靴下を使って、人間には感知できない、あるにおいを嗅ぎわけられるように犬たちを訓練した。そのにおいとは、マラリアの分子レベルにおける痕跡だ。

犬の嗅覚は、最先端の人工機器よりもはるかに敏感だ。その能力は驚くなかれ、1兆分の1の濃度でも物質を感知できる。これは五輪規格のプール20杯分の水に液体1滴をたらした状態に相当する。

訓練すれば、犬は爆発物[日本語版記事]や麻薬を探知し、容疑者を追跡し、遺体を発見できるようになる。さらに最近では、ヒトの疾患をにおいだけで犬に発見させる実験が数多く行われている[日本語版記事]。がん、糖尿病、結核、そしてマラリアだ。

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