東吾妻・唐堀遺跡に「水場遺構」 県内初、完全な形で出土

石や木で作られた水溜め・作業場の説明をする関口博幸主任調査研究員=29日、東吾妻町(糸魚川千尋撮影)
石や木で作られた水溜め・作業場の説明をする関口博幸主任調査研究員=29日、東吾妻町(糸魚川千尋撮影)

 県埋蔵文化財調査事業団は、縄文時代後期(4400~3千年前)に食料のトチの実やクルミの加工に使われていたとみられる「水場(みずば)遺構」が東吾妻町の「唐堀(からほり)遺跡」で出土したと発表した。湧水点から皮や殻の捨て場までが完全な形で出土したのは県内初という。

 新たな遺構が出土したのは、吾妻川右岸から約50メートル離れた地点。平成28年度にトチの実の皮やクルミの殻の捨て場が見つかり、今年10月から本格的に発掘調査を始めた。

 遺構は湧水点から捨て場まで全長約30メートル。湧水点からは崩落した岩を使って、トチの実のあく抜きなどに使われる「水溜(た)め・作業場」へ水を引いていた。

 水溜め・作業場は石を貼り付けて作られ、崩落を防ぐため木や杭(くい)で囲われていた。遺構からは、10トンのダンプカー2台分ほどの大量のトチの実の皮とクルミの殻が出土した。

 周辺からは、縄文時代晩期(3千~2700年前)の石棒(せきぼう)や岩盤なども見つかっており、この地が祭祀場(さいしじょう)として使われていた可能性も高いという。今後は、遺構が使われていた年数や利用していた集落の調査を進める。

 発掘調査を担当した関口博幸(ひろゆき)主任調査研究員は「縄文人の食料の加工技術を知る上で貴重な遺構だ」と説明。

 調査に携わった科学分析会社、パレオ・ラボ(埼玉県戸田市)の佐々木由香さんも「内陸部での水利用の歴史が分かる貴重な遺構。標高が高い地点で、植物の遺物が発掘されるのは珍しい」と話した。