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揺らぐ医学部入試 受験直前、混乱拡大の恐れ

 大手予備校の入試担当者は「東京医科大を第1志望として勉強してきた受験生には大変厳しい措置だ。すでに志望校変更の動きも出ているが、各大学で入試傾向が異なるため、直前での変更はリスクを伴う」と懸念する。

不正のつけは受験生に

 東京医科大の救済措置の影響は、同大を目指す受験生だけにとどまらない。

 大手予備校の医学部専門校舎で講師を務める朝倉幹晴さんによれば、医学部受験生の多くは、「どの大学でもいいから医学部に入学したい」と考える傾向がある。このため東京医科大の募集定員が減るというより、すべての医学部入学の総定員(9419人)が来年は最大で63人少なくなると考えた方が、受験生らが置かれた立場を理解しやすいという。

 「小学校などから地道に勉強してきた医学部受験生も少なくない。10年近く準備してきた受験生に、大学の不正のつけを負わせるのは理不尽だ」と朝倉さん。しかし、東京医科大が来年入試で従来通りの合格者を出せば定員を大幅に超過し、教育の質が保てなくなるとして、朝倉さんらは「入試合格者枠の維持を求める会」を発足。他の大学が少しずつ入学枠を増やすことで、募集定員の減少分を補う臨時措置を国に求めている。