プロが指南 就活の極意

ありのままの自分を自信を持ってアピール

資料を丹念に調べる就活生ら。面接では目標達成にどう努力してきたかが問われる=大阪市、3月1日
資料を丹念に調べる就活生ら。面接では目標達成にどう努力してきたかが問われる=大阪市、3月1日

 他の就活生に比べて、すごい経験や結果を出したことがないのですが内定を獲得できるのでしょうか? 結論から申せば、すごい経験や結果を出したことがなくても内定は獲得できます。しかし、このような悩みを持つ学生は多く、何が正解か分からない就職活動の中で正解を探し、もがいているのです。

 自分の現在値を把握し、志望企業に通用するかどうかが事前に分かればいいのですが、就職活動では現在値を確認する判断材料が非常に少ないのです。大学受験では偏差値を参考にして志望校を選んだ学生が多いと思います。しかし、就職活動では偏差値がありません。つまり、明確な判断材料はないのです。このように判断材料が乏しいことから、表面的に判断しやすい「すごい経験や結果が出ているかどうか」を正解として考えている学生が多いのです。

 強いて挙げるのであれば偏差値の代わりは「学歴」として考える人が多いのかもしれませんが、進学校に在籍していれば難関大学に進学できるのでしょうか。一部の人を除き、多くの人は難関大学に進学するために、勉強という努力をしてきたことだと思います。就職活動も同じなのです。すごい経験や結果を出さないと内定を獲得できないのか。答えは『NO』です。受験の時と同様に、どれだけ目標達成のために努力ができたかが問われるのです。そもそも、面接の場でアピールする学生の話が正しいとは限りません。また出した結果が偶然の産物の場合もあります。表面的な結果や経験のすごさばかりではなく、自分がどのような考えや姿勢で取り組んできたのか、自分自身(価値観や強み)を主張していただきたいと思います。

 以下、ある企業の面接評価を例に学生の個性を企業が評価していることをお伝えしたいと思います。

 ■Oさんについての評価(→次の選考へ上げる)

 面接官1「鼻につくところがあるが、ユーモアのセンスもあり、にくめない。1人くらいこういうのがいてもいいのでは。正義感強い。営業向き。A-」 

 面接官2「リーダーシップをちょっと勘違いしているフシがあるが、○○部あたりでたたかれればのびそう。好かれるタイプ。B+」 

 ■Pさんについての評価(→次の選考へ上げる)

 面接官1「当社に入りたいという気持ちが先行し、落ちついて考えることができていない。

 実際に入ってから何がしたいとか何ができるかが整理できていない。仕事能力的には普通と思われるが、ボーダーラインでは。B-」 

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