【ブエノスアイレス=塩原永久】米太平洋艦隊は28日、イージス駆逐艦と補給艦の2隻が同日、台湾海峡を通過したと発表した。同艦隊の報道担当者は「航行は自由で開かれたインド太平洋への米国の決意を示すものだ」と説明。アルゼンチンで近く開かれる予定の米中首脳会談を前に、中国側を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
航行したのはイージス駆逐艦「ストックデール」と補給艦「ペコス」。米軍艦の台湾海峡通過は7月以降3回目。太平洋艦隊は声明で「米海軍は国際法が認めるどこでも、飛行、航行、活動を続ける」とした。
月末からアルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、米中首脳が会談する予定。中国による南シナ海の軍事拠点化や貿易問題など、幅広い分野で双方の厳しいやりとりが予想されている。