宝塚歌劇団雪組公演「ファントム」の新人公演が27日、兵庫・宝塚大劇場で行われた。入団7年目までの生徒で上演される公演。入団7年目の男役スター、綾凰華(あや・おうか)が繊細な芝居で主人公のファントムを演じ切った。
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カーテンコールのあいさつ。2度目の新人公演主演の綾は「エリック(ファントム)としてこの作品(の世界)を生き、たくさんの課題に挑戦できた感謝とともに…」。一呼吸置き、力強く言い切った。「反省点や悔しい思いが山積なので、もっと精進します」。入団7年目で今作が自身最後の新人公演。より高みを目指すことを誓った。
脚本・アーサー・コピット氏、音楽・モーリー・イェストン氏によるミュージカル「ファントム」は、ガストン・ルルー氏の小説「オペラ座の怪人」をもとにした作品。1991年に米国で初演。宝塚では平成16年に宙(そら)組で初演され、今回の本公演は7年ぶり4度目の上演となる。
19世紀後半のパリ。素顔を仮面で隠し、オペラ座の地下に住むファントム(怪人)こと、エリックの葛藤や親への思慕、オペラ歌手を目指すヒロイン、クリスティーヌへの愛を描く。
彩は立ち姿が美しく、センターで映える。終盤の要のとなる、男役スターの縣千(あがた・せん)演じるオペラ座前支配人、キャリエールとの場面も、抜群の芝居で魅せた。
壮大な1本立ての海外ミュージカルで、本役は劇団屈指の歌唱力を誇るトップコンビ、望海風斗(のぞみ・ふうと)と真彩希帆(まあや・きほ)。終演後の取材で綾はあらためてその重圧と反省を口にした。