京都を愛したフレディ クイーン秘話

京都を愛したフレディ クイーン秘話
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 イギリスの伝説のロックバンド「クイーン」にスポットをあてた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が、大ヒットをとばしている。クイーンは親日家で、中でもボーカルのフレディ・マーキュリーは日本の伝統や美術品を好み、来日の際、オフには京都巡りも楽しんだという。当時を知る日本人元ボディーガードに話を聞くと、その人柄や優しさがあふれてくる。(広瀬一雄)

■招き猫に感激

 「大阪で公演があるとオフには京都に行き、1日中、骨董品(こっとうひん)店などを回って美術品などの買い物。よほど日本が好きなんだなと思いました」

 昭和50(1975)年の初来日から10年間でクイーンは6回来日。フレディはプライベートでも1度来日している。来日の際、必ずフレディのボディーガードを務めた伊丹久夫さん(72)=現東京パトロール社長=は、懐かしそうに当時を振り返った。

 初来日の際も、神戸のライブの翌日に京都を訪れ、平安神宮(京都市左京区)の境内を散策したり(写真)、料亭で食事をしたりしたという。

 「東京のホテルに着くと、すぐにアンティークの『招き猫』を探したが、東京では見つからなかった。京都の骨董品店で小さな『招き猫』を見つけ、とても喜んでいた」と伊丹さん。フレディ自身、猫を飼っていたこともあってか、小さな招き猫を、大事そうに持つ姿が印象的だったという。

 すでに初来日の際に東京では1000人を超える熱狂的なファンの歓迎を受けていたクイーンのメンバーだが、当時の京都では、変装などをしなくても、サインを求めてくるファンはいなかった。フレディはリラックスして、静かにゆっくりと店を回り、買い物をしていたという。

 浮世絵、200万円もする陶磁器、着物…。計7回の来日で、「購入した美術品で美術館ができるほど」(伊丹さん)いろいろな日本の美術品を買った。購入した着物をライヴで着たこともあったという。「インターネットもない時代なのに、フレディは日本の美術品のことをとてもよく知っていた。通訳を通して『(陶器が)本物か』と聞かれたこともあった。美術関係には造詣の深い人だった」(伊丹さん)

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