「アダルトサイトを閲覧している姿を録画した」などと偽メールを送りつけて仮想通貨をだまし取る詐欺被害が相次いでいる問題で、10月中に国内で約1千万円相当の被害が発生したことが25日、分かった。利用者が過去に使っていたパスワードを偽メールの件名にするなどして動揺させる手口が被害拡大につながっているとみられる。
偽メールは「パソコンに内蔵されたカメラでアダルトサイトを閲覧している姿を撮影した。家族や同僚らにばらまく」などと脅す内容。9月19日に国内で初確認され、同月末までに少なくとも計250万円相当が攻撃者の仮想通貨口座に払い込まれたとみられる。
調査している情報セキュリティー会社「トレンドマイクロ」(東京)によると、10月に入っても同様のメールが12回にわたって約5万2千通送信されたという。9月中の被害分を含めて10月末までに少なくとも計約1240万円相当の仮想通貨が指定口座に払い込まれたのが確認された。
当初は偽メールの件名に「緊急対応!」「あなたの心の安らぎの問題。」などの文言が使われていたが、10月下旬からは「あなたのパスワードが侵害されました」などの文言とともに、利用者がネット上で過去に使ったパスワードなどを表示するパターンが主流になってきている。