玉三郎とトリプルキャスト 十二月大歌舞伎2日開幕 女形難役「阿古屋」に若手2人が挑む

歌舞伎の女形、至難の役といえば「阿古屋(あこや)」。贅(ぜい)を尽くした傾城(けいせい)(遊女)姿で、舞台上で実際に三曲(三味線、琴、胡弓)を演奏し、その音色や唱歌で心情を表現しなければならない。昭和の名女形、六代目中村歌右衛門が当たり役とし、平成に入ると坂東玉三郎しか演じられなかった。その難役に12月、中村梅枝(ばいし)(31)と中村児太郎(こたろう)(24)が挑む。(飯塚友子)

2日、歌舞伎座(東京都中央区)で開幕する「十二月大歌舞伎」の夜の部「壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)」で、阿古屋を玉三郎(Aプロ)、梅枝と児太郎(Bプロ)がトリプルキャストで演じる。Bプロでは、玉三郎が後輩のため一肌脱ぎ、阿古屋の敵役で滑稽味のある岩永左衛門(さえもん)で共演するのも注目だ。

「自分としては(阿古屋を演じて)見せられるうちに、受け取ってもらいたかった」と玉三郎。これまでも複数の若手女形に、阿古屋継承を打診したものの、楽器の稽古で長期的な準備が必要なため、実現しなかったという。

平家滅亡後、平家の武将悪七兵衛(あくしちびょうえ)景清の行方を調べるため、その恋人、阿古屋が問注所(訴訟機関)に引き出され、岩永に拷問にかけられそうになる。それを秩父庄司重忠(坂東彦三郎)がとどめ、阿古屋が嘘をついていないかどうか、心の乱れを見極める責め道具として3つの楽器を演奏させる-という物語。通称「琴責め」と呼ばれる場面だ。

その難役にまず、手を挙げたのは児太郎。平成27年10月、歌舞伎座で玉三郎が阿古屋を演じた舞台を見て、「すごい!と興奮し『やりたい』と(玉三郎の)おじさまに言っちゃった」。その2年後、梅枝と児太郎は舞踊「秋の色種(いろくさ)」で玉三郎と共演し、舞台で琴の演奏を初披露した。

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