時任三郎「人間が円くなりました」 映画「家族のはなし」で味のある父親演じる

時任三郎「人間が円くなりました」 映画「家族のはなし」で味のある父親演じる
時任三郎「人間が円くなりました」 映画「家族のはなし」で味のある父親演じる
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 俳優の時任三郎(60)が、お笑い芸人・鉄拳のパラパラ漫画を映画化した「家族のはなし」(23日公開)に出演した。演じたのは、バンド活動のため田舎の両親の元を離れるも挫折する主人公・拓也(岡田将生)を温かく見守る父親・徹。自分が若いころは映画の現場でスタッフと衝突したこともあると明かし、「僕も人間が円くなりました」と語る。

 今回演じた徹は、田舎でリンゴ農園を妻(財前直見)と営んでいる。一人息子の拓也は、何もない田舎でリンゴ作りに精を出す徹に対して「つまらない人間」と吐き捨てるが、徹は笑顔で受け止める。

 役柄に絡んでこんなことを話し始めた。「実の父親がリンゴ園をやっていたことがあるんです」。東京都世田谷区で5人兄弟の末っ子として産声を上げた後に移った青森県弘前市でのこと。幼少時で当時のことは覚えていないが「大変な仕事だと思う。今回の役が来たのは不思議な縁だと思いますね」と笑顔を見せた。

 今年2月に還暦を迎えた。最近は父親役が増えたが、きっかけは子供のために1999年からニュージーランドに移住した「4年間の休業」だった。「休業後に父親を演じる機会が増えた。子供と過ごした4年間が父親役に挑戦するときに生かされた。4年という歳月は現場で役者をやってみようというエネルギーの充電になった」

 子煩悩として知られ、実娘は歌手のCanaとして活躍している。人生で試行錯誤する拓也について「バンドをやって壁にぶつかり挫折して立ち上がって、ということを経験していくのは悪いことじゃない。僕も子供がやりたいことをやればいいなと思っている」と真剣な表情で語る。

 今でこそ温厚な役が多いが、若いころは「自分の思いと違う意見が出てきたりすると誰にでも刃向かっていた。監督に意見したり。今考えたらよくあんなことを言っていたなと思う」と苦笑する。

 「映画は共同作業である以上は完成させないと意味がない。そのためにベストを尽くすのはもちろんだが、それは共同作業としてのベストであって個人プレーのベストじゃない。サッカーでもシュートを決める直前までボールを持ってくる選手がいるわけで、決してスタンドプレーで勝てるわけではない」と持論を展開すると「人間が円くなってしまいました」と言って豪快に笑った。(WEB編集チーム 伊藤徳裕)

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