華麗なる宝塚

柚香光「大きな出会いの作品になれば…」 宝塚花組全国ツアー

水美とは普段、互いに照れもあり、「頑張ろう」「大丈夫?」など直接的な言葉を掛け合わない。だが、今回のショーの話を聞いたとき、自然に2人で「ありがとう」と言った。

「花組生となって初めて一緒にこのショーに出てから、ずっと離れずに同じ組で入団10年目を迎え、また一緒にこのショーに挑戦できる。このつながりに、この縁に、ありがとう、と」

東京都出身。兄2人、弟2人がいる。わんぱくで毎日かすり傷を作る子供だったが、「自分は5人の中で唯一の女の子、という責務をうすうす感じていて」ピアノとクラシックバレエを習っていた。

バレエ教室の教師が、提示してくれた道の1つが宝塚歌劇だった。母が入手した宝塚音楽学校の願書を見てその授業内容に惹(ひ)かれ、宝塚をよく知らぬまま、受験を決めた。「朝から歌って踊れてタップダンスもできる。日本舞踊もしてみたい。進路として音楽学校に入りたかった」

試験会場では「場違いも度を超えると、社会科見学みたいになって。落ち着いていました」。受験生がきちんとリーゼントや整髪料だけで固めたお団子ヘアにしていることに驚いた。

自身は当時長髪。髪を上げていたものの、音楽学校の本科生が飛んできて直してくれた。「2次試験はきれいなお団子に仕上げたつもりでしたが、やはり直していただいて」と苦笑い。一度目の挑戦で合格した。

男役、娘役の選択は自身の希望でほぼ決まる。自身は選択申請日を聞き逃しており、当日に決めた。「当時、どちらでも可能な身長でどうしようと考えているうちに順番が迫ってきて。隣の人が男役、と言ったので、自分も男役です、と。勢いでした」と笑わせた。

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