介護ロボット活用へ期待と懸念 横浜市が導入後押しで補助金開始

 介護職員の負担を軽減して離職を防止すると同時に新たな人材も確保したい-。そんな思惑から、横浜市は介護職員として新規に高齢者を3人以上雇用すれば、介護ロボットの購入費用を補助する事業を新たに開始した。ロボットの普及が加速すれば一石二鳥となる。しかし、行政の狙いとは裏腹に、介護現場ではロボットに対する懸念も根強い。人手不足に対応する一つの方策ではあるが、普及に向けた課題は何か。現状を追った。

 「今、介護の現場で最大の問題は働く人が不足していること」。10月18日午前、市内の特別養護老人ホーム「ラスール金沢文庫」で、シンガポールの政府関係者ら計30人の視察団を前に、市職員は力を込めた。

 ■離職を防ぐために

 市職員は、人手不足対策の一つとして、ITを活用した見守りシステムを例に挙げ、介護現場の負担を減らしていることを紹介した。同施設には、要介護者の呼吸数や心拍数を検知し、ベッドを離れるなどした場合、センサーで職員へ通知する見守りシステム「眠りSCAN(スキャン)」を導入しており、具体的な効果などについても解説した。

 日本の技術やノウハウを移転して自国の施策に生かそうと、視察団からは次々と質問が飛んだ。参加者の1人で、シンガポール公務員研修所のパトリック・ラウ・ウェイペンさん(50)は「日本の先進的な技術の中でも、特にテクノロジーやITの活用に着目していた。ヒントを得られた」と話した。