「入管局のずさんさが原因」 法務省、失踪実習生めぐる元データを開示

法務省が開示した失踪技能実習生の資料・個票を閲覧する衆院法務委員会の理事ら=19日午後、国会内(春名中撮影)
法務省が開示した失踪技能実習生の資料・個票を閲覧する衆院法務委員会の理事ら=19日午後、国会内(春名中撮影)

 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた出入国管理法改正案に関連し、法務省は19日、失踪した外国人技能実習生2870人に対して昨年行った調査内容を記した「聴取票」を与野党に開示した。調査をめぐっては、法務省が説明していた調査の集計結果に大きな誤りがあったことが16日に判明。元となったデータの提示が求められていた。

 法務省は「入国管理局の調査態勢のずさんさが原因で、意図的ではない」としているが、反発を強める野党は、衆院法務委員会の葉梨康弘委員長(自民)の解任決議案を提出。与党は20日に衆院本会議で葉梨氏の解任決議案を否決し、21日に委員会審議入りさせる方針を決めたが、同局を「出入国在留管理庁」に昇格させる法案も審議予定で、影響は尾を引きそうだ。

 公表された聴取票は、失踪実習生を出入国管理法違反で摘発した際に作成。名前などは一部黒塗りになっており、衆院法務委理事らに限って複写や持ち出し禁止を条件に開示した。

 法務省は、調査の集計結果を示した今年6月以降、失踪動機で最も多かったのは「より高い賃金を求めて」で87%だったなどと説明。山下貴司法相も国会で同様の答弁をしていたが、聴取票にはこうした質問項目名はなく、最多は「低賃金」で67%。他の項目にも複数の誤りがあり、調査人数自体も「2892人」と誤っていた。