浪速風

憲法、北方領土…独立の気概なければ明治の先人が泣く

気の重い週末となった。国会の憲法審査会はいまだに開かれない。日露首脳会談で安倍晋三首相は、北方領土の四島返還ではなく歯舞(はぼまい)群島と色丹(しこたん)島の2島先行と取られかねない方向にかじを切った。これらはいずれも国家の独立にかかわる問題だ。

▶国の安全を他国に委ねる憲法前文の精神は、独立国にふさわしくない。改正を与野党とも真剣に論じるべきなのに、審査会という入り口で止まっている。北方領土について安倍首相はオーストラリアで、従来方針と矛盾しないと述べたが、見通しはあるのか。不法占拠された四島を返還させ、独立国の主権を守るという原理原則が貫けるのか。

▶今年は明治に改元されて150年である。明治人はひたむきに列強に追いつこうとした。日本を守るためだった。「国中の人民に独立の気力なきときは一国独立の権義を伸ぶること能(あた)わず」(福沢諭吉「学問のすゝめ」)。国会や政府に独立の気概がないのであれば、先人が泣く。