「具体的改憲案示され、幅広い合意を」安倍首相会見

 【安倍晋三首相記者会見詳報】(3完)

 --外国人労働者の受け入れ拡大に向け新たな在留資格を創設する出入国管理法改正案について、受け入れる業種や人数が不透明だなどとして野党が激しく反発している。法務省は失踪した技能実習生の調査結果について、これまでの説明に誤りがあったと説明した。それでも今国会で成立させ、来年4月の施行を目指すか。その狙いは。また、首相は先の所信表明演説で、政党が具体的な憲法改正案を示すべきとの認識を示したが、今国会はいまだに衆参両院の憲法審査会が開かれず、自民党の改憲条文案も提示されていない。この現状をどう受けとめているか

 「われわれ、6年前に政権を奪還した際、デフレから脱却をしていく、そして経済を成長させていくと同時に、働きたいと思う人にみんなに働く場所があるという経済を実現したいと考え、いわゆるアベノミクスを進めてまいりました。その結果、雇用情勢は大きく好転し、有効求人倍率は44年ぶりの高さとなり、そして史上初めて全ての都道府県で有効求人倍率は1倍を超えました。正規雇用の有効求人倍率も1倍を超えているという状況を作り出しました」

 「同時に、中小・小規模事業者の皆さんはじめ、現下の人手不足の状況は全国的に深刻な問題となっています。そして人手不足の結果、店や工場を閉めざるを得ないという状況が実際に起こっています。こうした地方のニーズにしっかりと応え、可能な限り早急に新たな受け入れ制度を実施する必要があるため、来年4月から制度をスタートさせたい。来年4月から制度をスタートすることを目指していきたいと考えております。その考え方のもとに法案を提出をさせていただいたところであります」

 「その上で、国民の皆さま、さまざまなご懸念を持っておることは十分に承知しております。そうした皆さまのご懸念に対して目配りをし、今回新たに出入国在留管理庁を設置するなど、在留管理の一層の強化を行うこととしています。また先日、受け入れを要望している業種別の初年度と5年後の現段階での受け入れ見込みの数をお示ししたところであります。こうした本制度の趣旨や内容について、広くご理解をいただいているように、政府として丁寧な説明に努めてまいりたいと考えています。いずれにしても政府としては緊張感を持って国会対応等について、しっかりと努めていく考えであります」

 「また、憲法審査会の開催等を含む国会の運営については、政府としてはコメントを差し控えたいと思いますが、いずれにせよ憲法は国の理想を語るものであります。具体的な改正案が示され、国民的な議論が深まっていく中で、与党、野党といった政治立場を超えて、できるだけ幅広い合意が得られることを期待しています」