韓国最高裁が新日鉄住金に賠償を命じた元徴用工訴訟の確定判決など日韓関係が冷え込むなか、NHKが14日に発表した「第69回NHK紅白歌合戦」の出場者で、韓流アーティストは昨年に続いて女性グループのTWICE(トゥワイス)1組にとどまった。出場を有力視されていた男性グループ、BTS(防弾少年団)は選ばれなかった。「原爆Tシャツ」やナチスを想起させるパフォーマンスの問題が影響した可能性がある。
BTSが選ばれなかったことについて、番組を統括する渋谷義人チーフプロデューサーは「今年の活躍、世論の支持、番組の企画・演出に合っているかが選考基準」として「この3点から総合的に判断した」とコメント。BTSは、米国のチャートでアルバム2作連続1位を獲得しており、報道陣から「今年の活躍は十分ではないか」との質問もあったが、渋谷チーフプロデューサーは「選考の過程の細かいところは答えられない」とした。
BTSは7人組で、2013年にデビュー。メンバーが過去に、原爆のきのこ雲の写真をプリントしたTシャツを着用していたことがインターネット上で騒ぎとなり、テレビ朝日の音楽番組で出演を見送られたほか、ナチスを想起させるパフォーマンスについても問題視されていた。BTSの所属事務所は13日、「原爆投下の被害者を傷つける意図は全くない」など、不快感を与えたとして謝罪していた。