【軍事ワールド】米のINF全廃条約破棄で沈む中国(4/4ページ) - 産経ニュース

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米のINF全廃条約破棄で沈む中国

 ソビエト連邦は、戦争に負けたわけでもなく、他国の侵攻をうけたわけでも軍事クーデターが起こったわけでもないのに消滅した。滅亡の理由は「経済破綻」だ。米国との核開発競争、宇宙分野でも米国のスペースシャトルの向こうを張って宇宙を往還する有翼機「ブラン」を開発。戦闘機に戦車、空母と独自の研究開発に基づき米国と対等に渡り合う大国ぶりだったが、内情は火の車だった。一党独裁と教条主義、官僚制の下で進められる計画経済という欠陥システムでは、皆が平等に貧しくなることしかできなかった。

 1979年のアフガン侵攻で戦費が増え経済は疲弊。とどめをさしたのは米レーガン政権下で進められた「戦略防衛構想」、通称スター・ウォーズ構想とされる。衛星軌道上にミサイル搭載衛星などを配備し、核弾道ミサイルを迎撃することを手始めにレーザー兵器やレールガン(電磁砲)などの未来兵器実用化に突き進んだ。実際には挑戦的すぎたため実現したものは多くなかったが、それに対抗しようとしたソ連は結局、軍事費の高止まりに耐えられず経済的に失速、以降のソ連崩壊へとつながる。

 こうした米国との「チキンレース」に中国が勝てる可能性はあるのだろうか。米中貿易摩擦から始まった米国の報復関税による経済制裁では、当初(今年3月23日)こそ「お受けしなければ失礼にあたる」(華春瑩報道官)と余裕さえ見せた。が、中国の対米輸入額は年1500億ドル規模で、米国の対中輸入額(5050億ドル規模)と比べれば、関税による制裁の勝敗は一目瞭然。中国製品をまとめ買いしてくれるお得意様を激怒させて自ら経済失速を招いているかたちだ。

 中国は現在、兵器類の拡充と刷新や人工島の埋め立てと基地化など軍事面に加え、宇宙ステーションの建設まで計画している。

 INF条約を破棄して、いわゆる中距離分野の兵器刷新に動く米国に「おつきあい」する余力があるとは考えにくいが。