大阪ガスが海外事業への投資を加速させている。特にシェールガスの生産量が増加し、発電所の建設ラッシュとなっている米国を重点地域に位置づけており、今年に入ってから天然ガス火力発電所に立て続けに出資したほか、6年ぶりにシェールガスの開発事業への参画も果たした。エネルギー自由化の影響で日本国内が厳しい競争環境となるなか、海外事業の強化を急いでいる。(林佳代子)
米国発電所を買収
米ミシガン州で1995年に運転を開始した「ミシガンパワー発電所」。天然ガスを燃料とし、12・5万キロワットの発電能力を持つ。同州の電力事業者や工場に対して長期の電力供給契約を結んでおり、安定的な収益確保が期待できるという。
大ガスは今年6月、この発電所に百数十億円を出資し、運営会社の株式を100%取得した。これまで米国本土の事業には20~30%程度を出資するケースが多く、全額出資したのは初めて。運営を主導することでノウハウを蓄積し、今後の新規案件への参画に役立てる狙いだ。