浪速風

宇宙で名を上げた大阪の魔法瓶。トラだけでなくゾウもあるぞ

国際宇宙ステーション(ISS)での実験試料を地球に持ち帰るカプセルが無事帰還した。二重構造のステンレスで真空の空間を作って断熱し、大気圏突入時の高温と重力に耐えられる究極の魔法瓶である。宇宙航空研究開発機構(JAXA)とタイガー魔法瓶(大阪府門真市)が共同開発した。

▶大阪には魔法瓶のメーカーが多い。明治末にわが国に入り、日本電球が電球づくりの真空技術を生かして初めて国産に成功した。当時の大阪はガラス工業の中心地で、それらのメーカーが次々に参入。東南アジアやインド、中近東方面で人気を呼び、花形の輸出産業になった。

▶タイガー魔法瓶のライバルは象印マホービン(大阪市北区)だが、ともに輸出先を意識して、動物を社名とシンボルにしている。タイガー魔法瓶は大正12(1923)年の関東大震災で、問屋の倉庫にあった製品が1本も割れなかったそうだ。今度は宇宙で証明された大阪の技術力が誇らしい。