書評

『北朝鮮がつくった韓国大統領』李相哲著 国家破壊の行方に強い懸念

 NGO化は1990年代以来の民主化の結果である。民主化は「国家より民優先」と理解され「泣く子とNGOには勝てない」社会になってしまった。よくいえば韓国型民主主義だが、昔、儒教を本場中国より信奉したようにこの地では理念(正義)は純粋化・極端化する傾向がある?

 中国生まれの朝鮮族出身、日本国籍で保守派の著者は、本のタイトルのように対北融和状況に懸念が強い。ただ、NGO国家化は超国家主義の北への同調には矛盾するはずだから、後は韓国の民力を信じるしかないだろう。(産経新聞出版・1300円+税)

 評・黒田勝弘(客員論説委員)