書評

『人生はどこでもドア リヨンの14日間』稲垣えみ子著 「海外苦手」でも2週間住んだら…

『人生はどこでもドアリヨンの14日間』稲垣えみ子著
『人生はどこでもドアリヨンの14日間』稲垣えみ子著

 著者はアフロヘアで知られる元朝日新聞編集委員。「海外旅行が苦手」なのに余計な準備をせず、海外で「普段の生活をする」と、フランス・リヨンに飛び立つ。

 自炊ができる(台所つき)、近くでマルシェ(市場)が立つ、原稿を書くカフェもある…を条件に探した民泊アパートで2週間「生活」。言葉も不自由で、〈マゴマゴした中年のおばさん〉が〈スリルとサスペンス満載の体験〉に一喜一憂しながら、徐々に「自分」の存在感を発揮していく。

 抱腹絶倒にして、生き方の示唆にも富み、一歩を踏み出せない人の力にもなりそうだ。(東洋経済新報社・1400円+税)

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