関西の製薬5社の平成30年9月中間連結決算が7日、出そろった。大日本住友製薬、田辺三菱製薬、塩野義製薬は国内の薬価改定や後発薬との競合が影響して減収となった。一方、がんの免疫治療薬「オプジーボ」を製造販売する小野薬品工業はロイヤルティー(特許権使用料)収入も増えて最終利益は前年同期比36・0%増の288億円となり、中間決算として過去最高を更新した。
大日本住友は最終利益が38・5%減の278億円。北米での抗精神病薬販売が好調だったが、国内売り上げ減少が響き、事業譲渡益などがあった前年同期の反動もあった。田辺三菱も最終利益が16・2%減の249億円。海外ではALS(筋萎縮性側索硬化症)治療薬の販売が好調だったが、子会社化したイスラエルの創薬ベンチャーの研究開発費などが膨らんだ。
塩野義製薬は抗エイズウイルス(HIV)薬と抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」のロイヤルティー収入増などで、最終利益は過去最高。小野薬品は、オプジーボの薬価が引き下げられたものの、適応に胃がんなどが追加され、販売量が拡大した。参天製薬も医療用医薬品販売がアジアを中心に好調に推移し、売り上げを伸ばした。