個人総合「銀」の村上、1年前の悔し涙を糧に

【2018世界体操】女子個人総合決勝 銀メダルを獲得し、笑顔でピースする村上茉愛=1日、ドーハ(桐山弘太撮影)
【2018世界体操】女子個人総合決勝 銀メダルを獲得し、笑顔でピースする村上茉愛=1日、ドーハ(桐山弘太撮影)

 表彰台を確定させた瞬間、村上は安堵と歓喜で瞳をぬらした。

 「すごく達成感がある。今年は自分でつかみ取りにいった」

 東京五輪を2年後に控え、ドーハには役者がそろっていた。リオデジャネイロ五輪4冠のバイルス(米国)が約1年の休養を経て復帰。その中で村上が獲得した日本史上最高の銀メダルには、大きな価値がある。

 圧倒的な実力を誇るバイルスについて、村上は「選手の立場としては、もう少し休んでくれてもいいのにと思いますけどね」と冗談めかして笑っていた。予選を3位で通過し、その女王と今回初めて同じ班で決勝を回った。

 日本のエースは気後れすることなく、上位が僅差にひしめく展開の中、暫定5位で迎えた最終種目の床運動で、H難度の「シリバス(後方かかえ込み2回宙返り2回ひねり)」をきっちり決めるなど勝負強さを発揮した。

 「昨年は0・1点差で(メダル争い)負けた。悔いのない状態で終わりたかった」。その一念が、銅を獲得した2009年大会の鶴見虹子以来となる、日本勢9年ぶりの逆転表彰台を引き寄せた。

 昨年大会は予選トップで決勝に臨みながら、緊張もあって平均台のターンでバランスを崩して落下。0・100点差の4位となり、メダルを逃した。1年前の悔し涙が22歳を強くした。(宝田将志)