勝俣元会長が原発事故「深くおわび」と謝罪 被告人質問

 東京電力福島第1原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3被告の第33回公判が30日、東京地裁(永渕健一裁判長)で開かれ、元会長の勝俣恒久(つねひさ)被告(78)への初めての被告人質問が行われた。勝俣被告は冒頭、「東電の社長、会長を務めたものとして深くおわび申し上げます」と事故について謝罪した。

 勝俣被告は、会長職の役割について問われ「業務執行には関わりません」と説明。自身が会長になってからも「社員との接触は少なくなり、対外的に活動していた」とし、社内の各部署に指揮を執ることはなかったと述べ、会長には津波対策などを含めた業務の執行権限がなく、社長の補佐的な立場だったと強調した。

 この日は勝俣被告に先立ち、前回公判に続き元副社長の武黒一郎被告(72)への被告人質問が行われ、武黒被告は改めて「対策しても確実に事故を回避できたとは思っていない」と話した。

 事故をめぐっては、両被告のほか、元副社長の武藤栄被告(68)が強制起訴された。最大の争点は、巨大津波を予見し、対策を取ることができたかどうか。昨年6月の初公判で3被告は「事故の予見や回避は不可能だった」として、いずれも無罪を主張した。

 東電の子会社は平成20年3月、政府の専門機関による地震予測「長期評価」を前提にすれば最大15・7メートルの津波が同原発を襲うとする試算を示した。

 武藤被告は担当者から報告を受けたがすぐに対策に乗り出さず、土木学会に試算手法の妥当性を検討してもらう方針を示した。武黒被告も事故前に試算と検討方針の報告を受けていた。検察官役の指定弁護士は「対策を先送りし、漫然と原発の運転を継続した」と主張している。

会員限定記事会員サービス詳細