2020年東京五輪・パラリンピックに向け、警察当局が、サイバー攻撃でドローン(小型無人機)が乗っ取られるドローンジャック対策の検討に着手したことが明らかになった。従来のドローン対策は外部からの飛来、侵入を想定していた。警備当局は新たに出現した未知の脅威についても課題の洗い出しを急ぐ方針だ。
多方面で活用が模索されるドローンは大規模なスポーツイベントでも導入が進み、今年2月に行われた平昌(ピョンチャン)五輪では上空からの警備に用いられ、閉会式では編隊飛行のLEDライトショーが披露された。
一方、ドローンはテロなどの犯罪ツールにもなっている。今年8月にはベネズエラで大統領の演説中、飛来したドローンが爆発し兵士が負傷する事件が発生。国内では平成27年4月、首相官邸屋上にドローンが落下する事件が起きた。
警備の穴が浮き彫りとなった落下事件を教訓に、警察当局は不審ドローンの「捕獲」に力点を置いた対策を進め、警視庁は全国の警察に先駆けて「無人航空機対処部隊」(IDT)を設置。IDTは、不審ドローンに網を発射する「ドローン銃」や、大型ドローンで約3メートル四方の網をつるして不審機を絡め取る対策を講じているという。