政界徒然草

「改憲」軸に似通う立憲民主党と公明党 

 来年の参院選で憲法の全条文厳守を掲げる共産党なども意識し、改憲論を具体的に進めることを拒む考えだ。真の狙いは違うが、改憲議論をなるべく前に進めたくないという考えは、公明党ともクロスする。

 9月の自民党総裁選で連続3選し、残り任期が最長3年となった首相にとって、憲法改正に向け残された時間は少ない。自民党は改憲議論の停滞を打破するため、衆院憲法審査会の幹事を首相に近い新藤義孝元総務相(60)らに一新した。

 しかし、自民党が強硬な姿勢を取れば取るほど、憲法改正に慎重な立憲民主党と公明党の立場は近づいていく。立憲民主党幹部は「今後、公明党とは自然にシンクロしていく」と語り、先々の連携に含みを持たせた。

 山口氏は、連立離脱を繰り返し否定するが、自民党との溝が隠しきれなくなって「平和の党」の原点が脅かされる事態が起きれば…。自民党幹部は「選挙では国政も地方も自公の共闘関係が完成されており、どんな事態になっても離れることはない」と語るが、憲法改正問題が大きな政界再編の端緒となる可能性もゼロではない。

(政治部 千田恒弥)

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