大阪北部地震のブロック塀倒壊、原因は施工不良 高槻の女児死亡、第三者委答申

 6月の大阪北部地震で、大阪府高槻市立寿栄(じゅえい)小のブロック塀が倒壊し、4年生の女児=当時(9)=が下敷きになり死亡した事故で、原因究明を図る市の地震事故調査委員会(第三者委、委員長=奥村与志弘・関西大准教授)は29日、施工不良などが倒壊の原因とする結論をまとめ、浜田剛史市長に答申した。近く詳細な報告書を提出する。

 答申後、奥村氏らが記者会見。奥村氏は、学校と市教育委員会、点検業者の危機意識が希薄だったことに触れ、「安全管理に対する責任の所在が明確でなかった」とも指摘した。

 答申や会見では、倒壊の原因として、ブロック塀と基礎部分をつなぐ46カ所の鉄筋が溶接されずに内部に使われたことや、基礎部分に入った鉄筋が短かったことを指摘。基礎部分の鉄筋は52センチが必要だが、平均13・8センチで、浅い箇所は8センチしかなかったという。また13カ所は鉄筋が腐食して細くなり、地震で破断したと推定した。

 塀は昭和49年につくられ、基礎部分(約1・9メートル)の上にブロック塀が8段(計約1・6メートル)積み上げられ、高さは約3・5メートル。建築基準法施行令の高さ制限(2・2メートル以下)を超え、高さ1・2メートルを超す場合に必要な補強用の「控え壁」もなかった。

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