被災家屋をアプリで中継…保険金の支払い迅速化へ新手法

災害相次ぎ退職社員も動員

 日本損害保険協会によると、大阪北部地震で31社が支払った保険金は946億円に達し、7年の阪神大震災(783億円)を超えた。9月4日に上陸した台風21号による受付件数は約48万5千件。これは風水害で過去最高だった3年の台風19号の支払件数(約60万件)に迫る勢いだ。

 この21号は、大阪北部地震、西日本豪雨への対応が続く中で上陸した。

 「各社とも経験したことのない受付件数に態勢を作っている最中に、今度は北海道地震が起きた」(丸山さん)。さらにその後、台風24号が日本を縦断。1つ目の災害をしのいだのに、24号で持ちこたえられなかった家屋も多く、被害が広がった。

 こうした相次ぐ災害に、ドローン、フェイスハブ、さらに災害時に就労可能な退職社員の事前登録も役立ったという。「経験者は即戦力になる」(同社)

 丸山さんは「ICT(情報通信技術)を活用するなど、災害対応も普段の業務の延長線上にあることを意識して、日々取り組みたい」と話している。

 ドローンで上空から調査

 損保最大手の東京海上日動火災保険は、被害の査定にドローンを導入。堤防決壊地点から濁流の方向を特定したり、人が立ち入り困難な住宅などを接写するなどした。

 現地入りした社員を被災地外の社員が支える「マルチロケーション対応」も円滑に機能した。被災地に入った社員は調査立ち会いに専念し、保険金支払いの手続きは他地域のスタッフがあたった。

 損保ジャパン日本興亜は、すでに導入されている顧客情報印刷などを自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を7月に強化。事務処理の自動化の領域をさらに拡大することで、被災地の保険金支払いまでにかかる時間を短縮している。

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