歌をまねる脳の仕組み解明 東北大、キンカチョウで実験

 小鳥の「キンカチョウ」が親鳥のさえずりをまねる際に働く脳内の仕組みを、東北大などの研究チームが解明した。人が言葉を覚える上で欠かせない模倣の能力を探る手掛かりになるという。英科学誌ネイチャー電子版で発表した。

 キンカチョウはペットとしても親しまれているスズメの仲間。親鳥などをまねて、生後3カ月で独特の鳴き声で歌うようにさえずり始める。まねるときに働く脳の神経回路は知られていたが、回路が働き始めるきっかけは謎だった。

 チームは学習に関わる情報伝達物質で、脳内で放出される「ドーパミン」に着目して実験。親鳥などのさえずりを直接聞いたときだけ、中脳と呼ばれる場所から伸びている神経細胞がドーパミンを放出し、神経回路が働き始めることを突き止めた。

 人為的にドーパミンの放出を止めると、さえずりを聞いてもまねしなかった。逆に放出させると、通常はまねしないスピーカーから流れたさえずりも模倣した。

 東北大の田中雅史助教(神経科学)は「人の脳にも同じような仕組みがあるとみられ、文明をもたらした人類の高い模倣能力の解明につながっていくだろう」と話す。

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